バイク乗り、特に年式の古いモデルを愛でるライダーにとって最大の敵、それがフロントフォークの**「点錆(てんさび)」**。
「あ、ポツポツ出てるな…」と見逃すと、あっという間にオイルシールを切り裂き、フォークオイルがダラダラ…なんて悲劇に。今回は、私が実践している点錆の対処法と、意外と勘違いしやすい再発防止策についてまとめました。
1. 点錆を見つけたら?「削る」ではなく「平らにする」
点錆はメッキの層を突き破って発生します。大切なのは、シールを傷つける「山の突起」を消すことです。
- 軽微な錆(手で触ってもあまり分からない):ボンスター(スチールウール)にフォークオイルをたっぷり含ませて、優しく撫でるように磨きます。これだけで表面の茶色は消えます。
- 重症な錆(爪が引っかかる):1000番〜2000番の耐水ペーパーを使用。ここでも「オイル」を垂らしながら磨くのが鉄則です。ポイント: 磨きすぎは厳禁!メッキが薄くなると余計に錆びやすくなります。あくまで「凸」を平らにして、シールの滑りを良くするのが目的です。
2. 再発防止に「ウレタンクリア」は塗ってもいいの?
よくある質問ですが、結論は**「NO」**です。
理由はシンプル。
- シールを壊す: 塗膜の厚みの分だけフォークが太くなり、シールのリップを傷めます。
- 剥がれたら終わり: ストロークの摩擦でクリアが剥がれると、その破片がシールに噛み込み、即オイル漏れを引き起こします。
非可動部(トップブリッジ付近)なら理論上は可能ですが、メッキへの密着が悪いため、結局そこから湿気が入り「ミミズ腫れ」のような錆に繋がります。
3. プロが教える、本当の再発防止策
インナーフォークは「塗装」で守るのではなく、**「油膜」**で守るのが基本です。
- シリコンスプレーの習慣化:洗車後やツーリング前に、シリコンスプレーを吹いたウエスでサッと拭き上げます。これだけで水はじきが劇的に変わります。
- 錆転換剤のピンポイント使用:削った後の黒いポツポツ(錆の根)に、綿棒でごく少量の錆転換剤を塗布。乾燥後にコンパウンドで表面を整えれば、進行を大幅に遅らせられます。
- 定期的に「動かす」:長期間放置が一番の毒。たまにフロントに荷重をかけてフォークをストロークさせ、オイルシールの油分を馴染ませてあげましょう。
まとめ:修復不能なら「社外品」という選択肢も
点錆が摺動部(動く部分)に広がり、磨いてもオイル漏れが止まらない場合は、インナーチューブの寿命です。
特に**NSR50前期型($\phi$30)**などは、現在でも「SHIFT UP」や「SYNAPSE」といった質の良い社外リプレイス品が手に入ります。無理に古いチューブを使い続けてシールを何度も無駄にするより、新品に交換してスッキリさせるのも、愛車と長く付き合うコツですね。
皆さんの愛車も、足元をピカピカにして気持ちよく走りましょう!



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