「最近、PCXのメーターが薄くて見づらい…」 「夜はくっきり見えるのに、昼間になると数字が全く読めない!」
長く乗っているPCX(特にJF56型)で、このような症状に悩まされていませんか? ガソリン残量や時計が見えないのは地味に不便ですよね。
実はこれ、メーターの故障というよりは**「日焼け」によるフィルムの劣化**が原因なんです。
今回は、PCXの持病とも言えるこの症状の原因と、数万円かかる交換費用を数百円で直すDIY修理方法、そして再発を防ぐ予防策をまとめました。
1. 症状:なぜ「昼間だけ」見えないのか?
このトラブルの最大の特徴は、**「夜やトンネル内では普通に見える」**という点です。
- 昼間(直射日光下): 数字が背景に溶け込んでしまい、ほとんど見えない。
- 夜間(暗所): バックライトが光ると、なぜかはっきり読める。
「夜に見えるなら、液晶は壊れてないんじゃないの?」と思いがちですが、これは液晶のコントラスト(明暗の差)が低下している状態です。
2. 原因:偏光板(へんこうばん)の寿命
原因は、液晶ガラスの表面に貼られている**「偏光板(偏光フィルム)」の紫外線劣化**です。
本来、真っ黒であるべき文字の部分が、紫外線(日焼け)によって色が抜け、薄いグレーや茶色に変色してしまいます。
- 昼間: 文字色が薄いため、太陽光の明るさに負けて見えなくなる。
- 夜間: 周囲が暗いため、バックライトの光と、薄くなった文字のわずかな明暗差でも目が認識できる。
これが「昼は見えず、夜は見える」という不思議な現象の正体です。
3. 修理方法:アッセンブリー交換か、DIYか
修理には大きく分けて2つの方法があります。
A. 新品に交換(確実だが高い)
バイク屋さんでメーター本体(ASSY)を新品に交換する方法です。
- 費用: 部品代だけで3万〜4万円+工賃。
- メリット: 確実で手間がない。
- デメリット: 非常に高額。走行距離が0kmに戻ってしまう場合がある。
- 注意: 中古品は同じように劣化している可能性が高いためおすすめしません。
B. 偏光板の張り替え(格安DIY)
分解して、劣化したフィルムだけを貼り替える方法です。
- 費用: 材料代 500円〜1,000円程度。
- メリット: 圧倒的に安い。反転液晶(黒背景)などのカスタムも可能。
- デメリット: メーターの分解(殻割り)が必要。古い糊を剥がすのが大変。
DIYが得意な方なら、断然**「B. 張り替え」**がおすすめです。
4. DIY修理の手順と必要なもの
用意するもの
- 偏光板(偏光フィルム): Amazonなどで購入可能(糊付きタイプ推奨)。サイズは20cm角あれば十分です。
- シール剥がし液: 劣化した糊を除去するための必須アイテム。
- プラスチックヘラ: ガラス面を傷つけずに糊を落とすため。
- ドライバー・カッター・ハサミ
作業のステップ
- 分解: 車体からメーターを外し、裏のネジを外して基板を取り出します。
- 剥離: 液晶表面の古いフィルムをカッター等で剥がします。
- 最大の難関! 強烈な匂いのする糊がガラスに残るので、シール剥がし液を使って根気よく落とし、ガラスをピカピカにします。
- 確認: 新しい偏光板を液晶にかざし、キーをONにします。フィルムを回転させると「通常表示」と「反転表示(文字が白く光る)」が切り替わるので、好みの角度を決めます。
- 貼り付け: 決めた角度でカットし、スマホの保護フィルムの要領で貼り付ければ完成!
【ポイント】 JF56の場合、メーター針を抜かずに作業するのは難しいため、慎重な作業が求められます。しかし、成功した時の視認性の良さは感動モノです。
5. 予防方法:再発を防ぐために
修理した後、あるいは今の状態を悪化させないための対策です。
- バイクカバーを掛ける(最強)
- 駐車中は物理的に紫外線をカットするのが一番です。
- 日陰に駐車する
- 特に南向きにメーターを向けないように意識しましょう。
- UVカットフィルムを貼る
- メーターのレンズ表面に、汎用のUVカットフィルムを貼ることで劣化を遅らせることができます。
まとめ
PCXのメーターが見えなくなるのは、故障ではなく**「フィルムの日焼け」**です。 新品交換だと数万円コースですが、DIYなら千円以下で新車のようなクリアな視界が戻ります。
「最近見づらいな…」と感じている方は、週末のDIYプロジェクトとして、偏光板の張り替えに挑戦してみてはいかがでしょうか?
【実例診断】夜になるとメーター中央が「赤紫」に曇る…これって汚れ?
読者の方から、非常に分かりやすい**「偏光板劣化の初期症状」の写真をいただきました。 もし、あなたのPCXのメーターも同じように見えているなら、それは「汚れ」や「結露(曇り)」ではありません。**
実際の症状写真

「夜になると、速度表示の『0』の周りや中央部分が、ぼんやりと赤紫色のモヤがかかったように見える」
一見すると、メーターカバーの内側が結露して曇っているようにも見えますし、レンズが汚れているようにも見えます。 しかし、これをコンパウンドで磨いても絶対に落ちません。
診断:これは「偏光板の日焼け」そのものです
この特有の**「赤紫色(または虹色っぽい変色)」こそが、液晶パネルに貼られた偏光板(偏光フィルム)が劣化している決定的な証拠**です。
単なる「水滴の曇り」であれば白っぽくなりますが、偏光板の劣化は化学変化なので、このように独特な色味を帯びます。
なぜこう見えるのか?
この赤紫色の部分は、偏光板としての機能(光のシャッター機能)が死にかけているエリアです。
- 本来の状態: 黒い背景部分は、光を完全に遮断して「真っ黒」に見えるはず。
- 劣化の状態: フィルムが傷んで光を遮断しきれず、バックライトの光が赤紫に透けてしまっている状態。
これが昼間になると、太陽光の明るさに負けて「文字が薄くて読めない」という症状に繋がります。
結論:磨いても直りません。張り替えが必要です。
残念ながら、これは表面のプラスチックカバーの汚れではなく、奥にある液晶パネル本体の表面劣化です。 外側からいくら磨いても効果はありません。
しかし、逆に言えば**「液晶ガラス自体はまだ無事」**というサインでもあります。 この段階であれば、劣化したフィルムを剥がして新しい偏光板(数百円)に張り替えるだけで、新品同様のクッキリした黒色を取り戻すことができます。
「なんだか最近、メーターが少し赤い気がする…」 そう思ったら、それは故障のサイン。完全に文字が読めなくなる前に、DIYでの張り替え修理をおすすめします。
DIYでの修理が不安な場合や、プロに任せたい場合に依頼できるお店は存在します。
ただし、一般的なバイクショップ(2りんかん、ナップス、レッドバロン、街のバイク屋さんなど)では、このような電子部品単位の修理(偏光板の張り替え)は行っておらず、**「メーター本体(ASSY)の新品交換」**という対応になることがほとんどです。
そのため、依頼先は**「メーター修理の専門店」や「電子機器の修理業者」**になります。
お住まいの千葉県(船橋市周辺)からアクセスしやすい、または郵送対応可能な有力な依頼先をいくつかご紹介します。
1. 千葉県内の修理店(持ち込み・郵送可)
千葉県内に、PCXのメーター修理実績を明記しているお店があります。
- i-Rescue119 千葉印西店
- 場所: 千葉県印西市草深(ジョイフル本田 千葉ニュータウン店の近く)。船橋市からだと車で30〜40分程度の距離です。
- 特徴: 本来はiPhoneやパソコンの修理店ですが、PCXのメーター修理(液晶不良、LED打ち替えなど)の実績が非常に豊富です。
- 対応: 偏光板の劣化修理も相談可能です。近場ですので、一度電話で症状(赤紫に変色していること)を伝えて相談してみるのが最もスムーズかと思われます。
2. 有名なメーター修理専門店(郵送または持ち込み)
少し距離はありますが、メーター修理業界で非常に有名な老舗です。
- モビーディック(Moby Dick)
- 場所: 東京都板橋区
- 特徴: バイク・車のメーター修理のプロショップとして非常に有名です。旧車から現行車まであらゆるメーターを直してくれます。
- 対応: 確実な技術がありますが、混雑している場合があるため、事前の問い合わせが必要です。郵送での依頼も可能です。
3. その他、郵送対応の専門店
- デジテックプロサービス
- 場所: 神奈川県横浜市
- 特徴: メーター修理の専門店で、郵送での全国対応を行っています。
依頼する際の注意点
- 車両ごと持ち込めない場合がある: 多くの場合、バイクそのものではなく**「メーター単体」を外して持ち込む(または郵送する)**ことを求められます。バイクごと預かってくれるかは、事前にお店に確認が必要です(i-Rescue119さんのようなスマホ修理店ベースの場合は、特に「部品単体」での持ち込みが基本になる可能性が高いです)。
- 費用の目安: 偏光板の張り替えだけであれば、新品のアッセンブリー交換(3〜4万円)よりは安く済むことが多いですが、工賃を含めると1〜2万円程度かかる場合もあります。必ず見積もりを取りましょう。
「PCXのメーター液晶が日焼けで見えなくなったので修理できますか?」と問い合わせてみるのが良い第一歩かと思います。



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